前置き
レジン(Casting resin)で色々な工作の"ガワ"を作る事を目標にする。既製品を切ったり貼ったりした物を原型としてその複製を取り、それを工作したものの"ガワ"にしようと考えている。
CADから工業グレードのプラスティック部品を作る / make:japanの記事は驚く程有益な内容だが、5年の歳月のせいかあるいはもともとなのか、IE-3075レジンなるものの入手方法がまったくわからない。
(ebayにもamazon usにもないのであっさりお手上げ)
とにかく今ある選択肢をまとめてみるしかない。
こうやって色々調べる前に「ウェーブ レジンキャストEX」を購入してしまった。
やはり強度は不安だが、かといって押しただけで割れる雰囲気でもない。
これはこれで色々試してみる。
元々切ったり貼ったりを想定した商品である事から、オリジナルから第一次の複製をするのに用いるには案外適しているかもしれない。
比較表
■画像■コピペ用
属性 | 単位 | 目標値 | ABS | ABS | Hi-cast | smooth-on | ||||||
スタイラック121 | 3016T | 3019 | 3150 | smooth-cast 300 | TASK 2,3 | ONYX FAST | ONYX SLOW | |||||
色 | Color | 透明 | アイボリー | ベージュ/黒/乳白 | 黒 | 黒 | ||||||
硬度 | Shore D | [D] | 75 | 60-70 | ? | 70 | 70 | 84 | 70 | 80 | 80 | 80 |
曲げ強度 | Flexural Strength |
[Mpa] ([psi]) | 90-120 (13,000 - 17,400) |
66-96 | 75 | 24 | 32 | 73 | 31 (4,510) |
65.5 (9,500) |
57 (8,280) |
70.5 (10,230) |
曲げ弾性率 | Flexural modulus |
[Gpa] ([psi]) | 2.5-3.1 (360,000 - 450,000) |
1.6-2.4 | 2.5 | 0.8 | 0.78 | 2.17 | 0.88 (139,500) |
1.98 (288,000) |
1.7 (246,000) |
1.97 (286,000) |
衝撃抵抗 | impact resistance |
[j/m] | 100-300 | 45-640 | ||||||||
収縮率 | shrinkage | % | 0.3 | 0.9 | 1.2 | 0.3 | 1 | 0.5 | 1 | 1.2 | ||
粘度 | viscosity | [mPa・s] (=[cps]) | 1,000 未満 | 35/20 (混合前) |
35/20 (混合前) |
800 / 160 (混合前) |
80 | 150 | 100 | 100 | ||
可使時間 / 硬化時間 | Pot life / demold time |
[minute] | 10 / 120 程度 | 4 / ? | 2-3 / ? | 5 / ? | 3 / 10 | 7 / 60 (3 : 20 / 90) |
2.5 / 15 | 5 / 90 | ||
引張強度 | Tensile Strength |
[Mpa] ([psi]) | 20-60 | 46 | 32 | 24 | 73 | 20 (3,000) |
45 (6,650) |
40 (5,840) |
52.8 (7,660) |
|
購入方法 | - | - | - | 小売の一般品? | FOK ? | amazon us (ship to jap) |
SAC ? | amazon us (ship to jap) |
SAC ? |
考察
amazon usで検索したらsmooth-onというメーカーのsmooth-cast 300という商品が良くヒットする事から、それは割と一般的なものなのだろうと思う。それとHi-cast 3016T、3019は似た物性のようである。
類似した使用用途であろう事から想像するに、おそらく同様に普及している「レジンキャストEX」や「ホビーキャストNX」等も似た物性なのだろう。
(遙かに劣る可能性も充分にあるが。)
まあ如何せんそれらは物性が公開されていないので正確なところはわからない。
SDS(安全データシート)すら無いのだ。
今時ちょっとした建築材料にだってあるってのに。
smooth-on社の商品はホビー用途ではとても優れている様に思われる。
概ね粘度は低く、硬度、曲げ強度の高い商品もある。
特にTASK 2はHi-cast 3150に届く性能でありながら粘度はずっと低い。
(Hi-castのデータシートには混合後粘度の記載が無いが、IE-3075が75/850の混合で300になるようなので、まあそのあたりなんだろうとの想定の下での話だが)
なお305、310は収縮率が0.065%(本当か?)と極端に良い。
それ以外の部分では300、300Q、305、310で機械的特性は似通っている。
65Dは曲げに関する特性の明記が無い。おそらく強度より低コストを求める場合用なんだろう。
380、385は粘度が1000以上(Videoで見るとゆるいシリコンくらいありそう)の代わりに固い(曲がりにくい)。でも曲げ強度は300と変わらない。てかamazon usにない。
3150ならFOK、TASK他smooth-on製品はSACというところで買える"かもしれない"。
FASTを冠しているがレジンキャストやホビーキャストと作業時間はあまり変わらない。
弾性率は良い線。硬度は充分。(おそらくは)その2者より曲げ強度は倍近くあるであろう。
利点でもあり難点でもあるのは、かなり濃い黒がベースになる事かな。
0 件のコメント :
コメントを投稿