まず前置き。
たまたま木造の物件にしばらく関わらなかった事、業界の外ではまるきり騒がれていない事から気づくのが遅れてしまった。問題に気づくきっかけはT社の住宅用サッシを準防火地域で使う計画にした事から始まる。
これまでは、まあだいたいどんな形状であっても防火設備の大臣認定は取れているだろうという認識でよかったはずである。
その物件ではアルミ折戸を使用していた為、防火設備の認定品があるかどうかを問い合わせた。
結果、なんとこれまで認定を取れていた商品は全て使う事ができず、新たに出した防火設備専用の商品から選ぶより他ないとの事。
これは今年(2014)の1月から切り替わっているという事であった。
現状
以下はT社に関してである。2014年1月から、木造用の防火設備の認定を取ったアルミサッシは新商品体系となっている。
防火サッシ商品は決定的にバリエーションが少ない。
3枚引の引違いは無い、ジャロジーも無い、寸法のバリエーションも無い、あれもこれも無い。
ガラスはLow-E+網入以外選択肢が無い。
価格はこれまでの数倍となる。これはひどい。
ビル用として出されているアルミサッシの認定番号は取消になっていない(これまで通り)。
当然、ビル用を木造で使うかどうかは設計士の判断による。
ただし認定書には下地についての記載(木であるか金属製であるか)は無い為、あくまでサッシについてのみの認定となっていると思われる。
余談であるが「認定書別添に、木や金属等の下地の明記はあるのか」との問いに、散々待たされた挙句「回答はできない。自分で内容を確認するように」と仰せつかった。
「書いてあるか、否か」の問いにすら答える気は無いらしい。最低である。
時系列
[07年10月]ニチアスの軒裏の準耐火構造(60分)等が不正に大臣認定を取得していたと発覚する事に端を発する。
[07年11月]
国交省より各建材メーカーに対し防火性能の再確認を要求する。
(ここでは問題の報告はされていないらしい)
[09年1月]
国交省より(?)E社 樹脂製窓に不正があった事が発表される。タレコミ?
そこから11年3月までの間に後から後から続々と大手各社の不正が発表される。
[その他]
JFE、ヨドコウ等鋼材メーカーにも品質データの改ざんがあったらしい。
調べていないだけでまだまだあるのだろう…
所感
まず問題の規模に対して騒ぎが少なすぎるように思う。マスコミには興味の無い事なのか?
街なかの住宅は大概当てはまるだろう事柄では無いのか。
改修せずにいれば既存不適格となり増築や改築ができないというのに。
(建物の構造規模次第では過半の修繕すらできないというのに)
「国土交通大臣の認定」の信頼が地に落ちているという、いかにも好みそうなネタなのに…
メーカーの対応もまたひどいものである。
こちらから言わなければ何もしないつもりなのだろう。
企業倫理などあったものではない。
そしてこれ幸いと明らかに価格の吊上げを行っている。
「不正がついにバレちゃったからこれまでの商品は無かった事にするわ」
「新しい商品はコレな。これ以外認定品ないから」
「形状も寸法もガラスも値段も、それから以外選びようないから。」
「嫌なら他のメーカーにすれば?(ハナホジ)(どこのメーカーも足並み揃えてるがな)」
「え?既存の建物でつかってるって?(チッ)はいはい改修ですか~?」
参考
JC-NET 記事国交省 報道発表記事
耐震偽装事件の深層
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